物置ねこの「みさき」物語
平成30年1月3日、東京のそれほど都会ではない所に住んでいる親子が、三浦半島の城ヶ島にドライブに行きました。
その親子は、城ヶ島が好きで、食事をしたり、海を見たり、島に沢山いる野良ネコちゃん達を見るのが好きでした。
その日は、お正月で道が空いていてとても早く着きました。とても寒い朝でした。
いつもの様に、野良ネコちゃん達を見ていると、その中で一匹、とても弱っているネコちゃんがいました。
寒風が吹く船着き場のコンクリートの上に丸くなり、動けない感じでした。
そばに近づいてみると、とても痩せていて、かすかに鳴くものの、ほとんど動けない様子でした。
その親子は話し合い、車で連れて帰る事にしました。
ほとんと抵抗しませんでした。(出来なかったのかもしれません。)
帰りに、動物病院に連れて行くと、極度の脱水症で、その他にも肝臓の問題、貧血、尿毒症、猫エイズ、猫エイズから来る口内炎、等の症状で入院になりました。
動物病院の先生によると、「あと数週間で体力が無くなっていたと思う。」との事でした。推定10才前後のオス猫ちゃんとの事でした。
病院の受付で名前を聞かれ、「みさき」と答えました。
病院の点滴と栄養がある食事のおかげで、元気になり退院になりました。
約10万円の入院費がかかりました。
その親子の家には既に飼い猫が居て、「みさき」は猫エイズの為、一緒には住めないため、その親子の家の、木造6畳の物置に住むことになりました。
親子は、「みさき」の為に、猫用のベット、ポットカーペット、猫の食卓、猫のトイレ等を用意して、「みさき」が住めるようにしました。
物置と聞くと寂しい感じがしますが、城ヶ島の様に、夜は明かりもなく、暖もなく、エサもなかった環境に比べると、とても良い環境だと思います。
毎日、ペットフードを食べて、ポットカーペットの上で過ごしています。
色々と体に問題があり、いつまで生きられるかは分かりませんが、物置の中で生きていきます。
いつの日か、猫エイズの特効薬が出来て、物置ネコから普通の家ネコになれる日を、願っています。